文学 美術 音楽 旅行についての鶴岡万弓の日記

近代、現代初頭の文学と、彫刻、絵画、浮世絵、建築などの美術が大好き。音楽ならクラシック!旅も好き!(現在、オーボエ専攻の学生です) それらの大好きな芸術に関して思ったことや、旅の事を記録として残しておこうと思いました。 そうして、同じ趣味を持つ方と繋がれたら嬉しいな、と思いブログを始めました!旅の記録は、どなたかの役に立ったり、「行ってみたい」と思わせるほどにその土地の魅力を伝えられれば、幸いです🌷

ボードレールとモーパッサン、サン=サーンスにサルトルらが眠る「モンパルナス墓地」へ

彫刻の話の途中ですが、どうしても書きたく、書きます…!2023年4/8、今回のレッスン期間の最終日に、モンパルナス墓地を訪れました。

 

この日、私のレッスンはなく、「帰りの電車の時間まで、まだ行っていない所に行こう!」と、思いつき、前日の夜に、色々調べて決めました。

(レッスン日程は予め、先生が教えてくださっていますが、具体的な時間割は、学校のレッスン室が分かり次第決めるので、直前に決まります。なので、この日が空くのは予想外でした。)

 

パリには著名人のお墓が多く、今回訪れたモンパルナス墓地も、著名人の眠る墓地の一つです。

 

【何故モンパルナス墓地か】

それは、私の大好きな、象徴主義の生みの親にして、フランス近代詩の帝王のような存在である、ボードレールのお墓があるからです…!!!

 

「調べた中でまず、著名人のお墓に訪れるなら…ボードレール!!」

私が愛し、敬愛してやまない方々のお墓があまりに多い上に、点在しているので、迷いに迷い、やっと決めました。

 

それと、高校の時から大好きなモーパッサンと、サルトルが眠っている事も大きな理由でした。

サン=サーンスの素晴らしさに気づいたのは、大学です。彼の作品も、大好きです😭🌷

 

スタンダールも大好きで、彼の「赤と黒」は、本当に、私の青春のような作品で、私にとっては、生涯忘れる事ができない程の、重大な作品です。

 

そんな彼のお墓は、モンマルトル墓地にあり、今回どちらに行くか非常に迷いましたが、ボードレールが「象徴主義の生みの親」というあまりに大きな存在故に、勝ちました…!

 

モンマルトル墓地は、スタンダール以外にも私の大好きな方のお墓が沢山あるので、とっても迷ったのです…😣次回は、モンマルトル墓地に行きたいです…!

 

【いざモンパルナス墓地へ】

↓このような案内版があり、手を合わせたいと思った4名のお墓の場所をチェック。道順的に、サルトルボードレールサン=サーンスモーパッサンが良さそうでした。

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(因みに、お手洗いもあり、無料で使えるので、ありがたかったです。)

 

【ということでまず、サルトルのお墓参りを】

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…!!!墓石にキスマーク…!?!?ペイント!?

すごいです…!さすがフランス、とでも言いましょうか、愛情表現が直球😳

 

もう会えない人のお墓に接吻をしたくなる気持ちは分かりますが、「衛生面的にどうなのだろう…!?」と、心配になり、私はお祈りだけで済ませました…!

 

「あなたの『嘔吐』は高校の時に読みました!」「『見る事は悪である』『アンガジュ』『人間は自由の刑に処せられている』これらの考え方は、私に大きな影響を与えてくれました!ありがとうございます!

そういった考えと、そんな発想ができるあなたが、大好きです!どうか、安らかに眠ってください。」

 

そのような事をお祈りしてきました。

 

【続いて、今回の主役、ボードレール…!💐】

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彼も多くの人に愛されているのが、このお墓を見れば、分かりますよね。

 

サルトルの時は、初めて見た「墓石にキスマーク(ダイレクト)」に驚きましたが、もうボードレールのお墓参りの時には既に慣れていました。(馴染むの早い笑)

 

そしてしゃがんで、花の沢山供えられている墓石の方に、そっと触れながら、お祈りしました。

 

「あなたは、あまりにも大きな存在です。今日、あなたにどうしてもお会いしたくて、ここまでやって来ました…!」

三好達治さんという、私の大好きな日本の詩人の方がいるのですが、彼は、あなたの作品を訳しているのですよ…!

日本という、遠い小さな島国でも、あなたの作品は愛されていて、更に当時の詩壇に、絶大な影響を与えました…!」

「あなたがいなければ、私の大好きな、ヴェルレーヌランボーも、詩人として存在しなかったでしょう…!だから、あなたは私にとって、本当に大事な人なんです…!大好きです!

私を、あなたの世界観と幻想(=つまり作品)に、一緒に連れて行ってください…!」

 

 

最後、モーパッサンのお墓まで行った後、もう一度戻って手を合わせてた程、ボードレールは今の私にとって、大事な方なのです。

 

2度目の時には、衛生面でやはり気になったので、直接、接吻はしなかったものの、私の口づけした指で、彼の墓石に刻まれた名前を、軽く撫でるように、何度もなぞりました。

 

そうして両膝を着いて、再度お祈りしました。最早そうせずにはいられませんでした。

 

なんといいますか、彼はもう超越した存在です。象徴主義という、多くの詩人を始め、芸術家に影響を与えただけでなく、私の大好きなジャンルの創り主。

 

敬愛、だけでは無論足りない、私の語彙の貧弱さを苦しく思う程の、ありったけの感謝と尊敬と愛情、傾慕。

それらが、ごちゃ混ぜになって、私の脳髄と胸を占めるのです。感動で、混乱しました。

そしてもちろん泣きました😅(本当によく泣きますよね…微苦笑)

 

苦しいのだか、嬉しいのだか。苦しいから嬉しいのか、嬉しいから苦しいのか。もう、よく分からなくなってしまいました。本当に、幸せな時間でした。

 

 

【続いて音楽家サン=サーンス💐】

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彼のお墓は道沿いでなく、奥にあるので、探すのが大変でした…!でも、とっても綺麗…!😳

彼のお墓では片膝を着いて、お祈りしました。彼の作ったオーボエソナタが、頭の中でずっと鳴り響いていました。

 

「あなたの音楽が大好きです!!オーボエのために、あんなにも素敵なソナタを書いてくださり、本当にありがとうございます…!!」

「『序奏とロンド カプリチオーソ』も大好きです!大学の時に演奏しました!!

『動物の謝肉祭』!!特に、水族館が好きです!!でも、他の曲もウィットに富んでいて、全部好きです!!交響曲も、もちろん好きです!!」

 

「あなたの曲はこんなにも素敵なのに、日本ではあまり有名でないことが、私には理解できません。

私がもっと上手くなって、あなたの曲の美しさを広めたいです…!!そのために、練習頑張ります…!!」

 

お祈りした後、彼の名前を、指で静かになぞりました。

練習の意気込みを改めて、手に入れました。

 

*お祈りは、「日本語だと通じないのでは?」と思い、つたない英語で、頑張りました!最初のサルトルからです!

 

 

モーパッサンのお墓に行く前に、ボードレールの慰霊碑へ】

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悪の華』の世界観たっぷり…!!この慰霊碑は、彼の知人が、建てたそうです。

というのも、お墓自体は前述のものですが、そのお墓で彼は、彼だけでなく、彼の義父と共に眠っているので、それを知人が不憫に思ったからだそうです。

「彼だけのためのモニュメントが欲しい」と思わせるボードレール、流石です…🙇

 

 

【最後にモーパッサン💐】

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彼のお墓は、道路を隔てたもう一方の敷地内なので、最後に訪れました。

彼のお墓を探している時、他の二人組の訪問者の方から、「もしかして、モーパッサンのお墓探してる?」と声をかけられ、一緒に手分けして探しました!

 

見つけたのは私でした!「見つけました!ここです!」と二人を呼んで、雑談も少々。

 

「どこから来たの?」ときかれ、「日本🙂」と答えると、「ああ! こんにちは!」と😳 「あなたは?(どこから来たの?)」「インドだよ🙂」私はすかさず、「あ! ナマステ🙏☺️」

 

この、ナマステの時に、みんなで手を合わせて軽く会釈するタイミングが一致したのが面白かったです😄

その方は、パリで活動する劇の演出家だそうで、今度モーパッサン「母」を演出するため、訪れたそうです。素敵な一期一会の、旅らしい思い出になりました!

 

その方が、「写真撮ってあげるよ!」と勧めてくださり、畏れ多くも、モーパッサン(のお墓)とツーショット(?)を撮ってもらいました…!(ブログにその写真は載せてないです)

 

大好きな「モーパッサン(のお墓)と一緒に写真を撮る」という出来事が私の人生で起るなんて、考えた事がなかったので、ある意味、生涯の思い出になりました…!

(もともと自分の写真は好きではないのですが、折角の勧めを断るのも悪く、撮ってもらいました)

 

 

握手をして二人と別れた後、私は残って、ゆっくりお祈りしました。

 

「あなたの作品には、高校の時に出会いました。それからずっと、読んでいます。本当に面白くて、美しくて、コケットリーもあれば、皮肉も効いてて、大好きです…!」

 

モームが、『世界十大小説』で言っていた、小説に必要なものの全てのポイントが、あなたの作品にはあると、私は思うのです。

だから、私はあなたの作品を退屈に思ったことはなく、むしろ小説の単純な面白さは、あなたから教えてもらった、と思っています!」

 

「難しくなく、シンプルなのに、面白い。これは、すごい事だと思います。あと、いつもオチがいいです。だから、どんどん読みたくなるのでしょう…!」

 

柱のような部分に頬を寄せて、長い事、お祈りしました。「ずっとこうしていたいです…。」

本当に天気も良く、温かく、風も時より軽く吹き、素敵な日和でした。

 

ふと、彼の作品の「墓」「墓女」などを思い出しました。彼は結構、死に関するテーマが多い気がします。

 

そうして彼の作品を思い出しながら目を閉じていたら、もっと美しくありたい、と思いました。せめて、私が、「あなたの作品が大好きです!」と、お祈りしに来ても、相手に不快感を与えない程度には…と。

 

今、こんな風に、頬を寄せてるけど、彼は不愉快じゃないかしら…(太宰治口調で)

気づいたのです…😨

 

見た目だけの問題でなく、中身です。勿論、美しい顔立ちの人であれば、それだけで相手は嬉しいでしょう。(ルッキズム的意味でなく、「文学あるある」的意味です)

 

でも、顔の美しくない私は、どうしようもないので、せめて、せめて、もっと内面を美しくしよう、と思いました。

大好きな文人の皆さんの恥にならないよう、美しく生きたい。生きる。いつ何時であれ。とモーパッサンに誓いました。

 

前述の通り、この後再びボードレールのお墓を訪れ、彼の墓前でも、誓いました💐

 

 

【おわりに】

モンパルナス墓地の、2時間半に渡る滞在は、私にとって、本当に幸せな時間となりました…🌷

単に嬉しいだけでなく、どんな人になりたいか気づくきっかけにもなり、価値のある時間でした。

 

ただ、本当は、お花をお供えしたく、墓地入り口で買えるかと予想して行ったところ、なかったので、お供えできなかった事だけが、心残りです…。

「お花もなくて、ごめんなさい…。」と皆さんへのお祈りの時に、実はちゃんと謝ってました…。

 

もし、お花をお供えしたい場合は、墓地にはないので、途中のお花屋さんで買って、お供えしてください💐

 

お墓参り目的でなく、ベンチでくつろぐ地元の方も沢山いて、素敵な空間、モンパルナス墓地。おすすめです💐