文学 美術 音楽 旅行についての鶴岡万弓の日記

近代、現代初頭の文学と、彫刻、絵画、浮世絵、建築などの美術が大好き。音楽ならクラシック!旅も好き!(現在、オーボエ専攻の学生です) それらの大好きな芸術に関して思ったことや、旅の事を記録として残しておこうと思いました。 そうして、同じ趣味を持つ方と繋がれたら嬉しいな、と思いブログを始めました!旅の記録は、どなたかの役に立ったり、「行ってみたい」と思わせるほどにその土地の魅力を伝えられれば、幸いです🌷

オルセー美術館①/彫刻は『陰翳礼讃』な『魔法人形』②-1

前回は、彫刻鑑賞の楽しみ方について説明しました。今回は、いよいよ作品の写真を見ながら。まずは、オルセー美術館の彫刻から😊

 

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タイトルは、『イヴの目覚め』。

神様から、「食べてはいけない」と言われていた果実をヘビにそそのかされて、食べ、「目覚める」聖書のお話テーマです。目覚めたイヴは、「裸であることを恥ずかしく思い」葉っぱで体を覆います。

 

この作品をこの角度から観ると、モチーフの蛇とリンゴ(果実)が見えるうえに、イヴが、「恥ずかしく思い」体を隠すために、身を縮こめているように見えます。

 

イヴは、①人から自分の裸を見られたくなかった。だから、②鑑賞者は、彼女の隠したがる体を見てはいけない。

そうすると、この位置かな…?と探していきました。しかもこの位置からだと、作者のサイン(左下)も見えます。(写真だと見えづらいですが、イヴの足の裏と、蛇の尻尾の間の岩にサインがあります)

作者が、この位置から観るのをメインに考えて作った事を、確信しました笑

 

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この作品はすごい!!

題名を忘れました…糸を紡ぐ人です。

どこから見ても躍動感があり、どの視点からでも楽しめるからです!!!

 

楽しそうに糸を紡ぐ人の、鼻歌が聴こえてきそうな程でした!!!

 

紡がれる糸自体は無いですが、両手の間に、細く、光に反射して輝く蜘蛛の糸のような糸が、彼女の紡ぐ動きに合わせて、緩んだり、張り詰めたりしながら紡がれる様子さえ、私には見えました!!

 

本当に、彫刻の魅力の詰まった素敵な作品です🥹👏大好きな作品出会えました!!!🌷

 

 

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彫刻だと、タイトルをいつもメモし忘れていまします…。それだけ、「見ただけで、何がモチーフか」、私にとっては絵画より、分かりやすいのです。

この作品は、仮面を持つ人。

 

着ける瞬間か、取った瞬間か。見る人によって変わるでしょう。私には、剥がしているように見えました。心理学者ユングの、「ペルソナ」という説を思い出させる作品です。

彼女は着けていたお面を、サッと取った瞬間。もしくは、ピッタリと張り付いたお面を、ベリベリと引き剥がすように取った瞬間。

 

一枚目の写真の位置からだと、彼女の眉間にシワが寄っているのが分かります。なので、仮面を剥がす痛みに、顔を歪めたように見えました。その痛みで首ものけぞる…。

 

もしくは、サッと取って、「今まで苦しかった!」という、苦しみからの解放感ゆえに、グッと眉を寄せる。

 

何故、解放感を感じたかというと、表情や、頭部の動きが大きい事に対して、首から下の体はリラックスしているからです。どこも力んでいません。

 

なので、痛みに頭をのけぞらせつつも、その苦痛は、解放感に繋がってるように私には見えました。

 

なので、一気に「ペルソナ」を剥がして、すっきりしたように見えました💐「お面の無表情さ」と、彼女の「微妙に動きのある人間の表情」の対比が、美しい作品です。

 

2枚目の位置からだと、彼女の表情は見えません。ですが、表情が見えない故に、「お面の無機質さ」と、「人間の体の軟らかな動き」の対比が今度は感じられ、美しいと思いました。

 

 

続きはオルセー美術館②で!