オルセー美術館①/彫刻は『陰翳礼讃』な『魔法人形』②-1
前回は、彫刻鑑賞の楽しみ方について説明しました。今回は、いよいよ作品の写真を見ながら。まずは、オルセー美術館の彫刻から😊
タイトルは、『イヴの目覚め』。
神様から、「食べてはいけない」と言われていた果実をヘビにそそのかされて、食べ、「目覚める」聖書のお話テーマです。目覚めたイヴは、「裸であることを恥ずかしく思い」葉っぱで体を覆います。
この作品をこの角度から観ると、モチーフの蛇とリンゴ(果実)が見えるうえに、イヴが、「恥ずかしく思い」体を隠すために、身を縮こめているように見えます。
イヴは、①人から自分の裸を見られたくなかった。だから、②鑑賞者は、彼女の隠したがる体を見てはいけない。
そうすると、この位置かな…?と探していきました。しかもこの位置からだと、作者のサイン(左下)も見えます。(写真だと見えづらいですが、イヴの足の裏と、蛇の尻尾の間の岩にサインがあります)
作者が、この位置から観るのをメインに考えて作った事を、確信しました笑
この作品はすごい!!
題名を忘れました…糸を紡ぐ人です。
どこから見ても躍動感があり、どの視点からでも楽しめるからです!!!
楽しそうに糸を紡ぐ人の、鼻歌が聴こえてきそうな程でした!!!
紡がれる糸自体は無いですが、両手の間に、細く、光に反射して輝く蜘蛛の糸のような糸が、彼女の紡ぐ動きに合わせて、緩んだり、張り詰めたりしながら紡がれる様子さえ、私には見えました!!
本当に、彫刻の魅力の詰まった素敵な作品です🥹👏大好きな作品出会えました!!!🌷
彫刻だと、タイトルをいつもメモし忘れていまします…。それだけ、「見ただけで、何がモチーフか」、私にとっては絵画より、分かりやすいのです。
この作品は、仮面を持つ人。
着ける瞬間か、取った瞬間か。見る人によって変わるでしょう。私には、剥がしているように見えました。心理学者ユングの、「ペルソナ」という説を思い出させる作品です。
彼女は着けていたお面を、サッと取った瞬間。もしくは、ピッタリと張り付いたお面を、ベリベリと引き剥がすように取った瞬間。
一枚目の写真の位置からだと、彼女の眉間にシワが寄っているのが分かります。なので、仮面を剥がす痛みに、顔を歪めたように見えました。その痛みで首ものけぞる…。
もしくは、サッと取って、「今まで苦しかった!」という、苦しみからの解放感ゆえに、グッと眉を寄せる。
何故、解放感を感じたかというと、表情や、頭部の動きが大きい事に対して、首から下の体はリラックスしているからです。どこも力んでいません。
なので、痛みに頭をのけぞらせつつも、その苦痛は、解放感に繋がってるように私には見えました。
なので、一気に「ペルソナ」を剥がして、すっきりしたように見えました💐「お面の無表情さ」と、彼女の「微妙に動きのある人間の表情」の対比が、美しい作品です。
2枚目の位置からだと、彼女の表情は見えません。ですが、表情が見えない故に、「お面の無機質さ」と、「人間の体の軟らかな動き」の対比が今度は感じられ、美しいと思いました。
続きはオルセー美術館②で!