彫刻は『陰翳礼讃』な『魔法人形』/12月のパリ旅行①
私が初めて感動したのは、絵画。という話は以前しました。今回は現在、最も惹きつけられている彫刻について。
12月の旅については、時系列にして別に記録を書きたいと思いますが、導入として必要なので、少し触れておきます。
2022年12/14-21、私はパリへ、美術館巡りの目的で旅に行きました。というのも、EUのVISAを持っている25歳までの人は、大概のミュージアムが入場無料になる、と先輩から教えていただいたためです。
「それは!何がなんでも、いかなくては!」と居ても立っても居られず、行きました😂それくらい、私は美術が好きです。
このシステムのすごい所は、「フランスのVISA」でなく、「EUのVISA」を持っている人、という所です。なので、ドイツのVISAを持つ私でも対象者になるのです…!!!
ありがたく、その権利を使わせてもらい、作品との本当に素敵な出会いが沢山あった旅となりました。
(音楽の勉強のために留学しているのにも関わらず、演奏会にはまだ一度も行けていません…どれ程、私が美術、特に彫刻が好きかを、分かっていただけるかと思います。この「好き」の具合は、後ほど、江戸川乱歩の『人間椅子』『人でなしの恋』などに繋がります)
私の「旅」は、「現地の人が暮らすようにその地で過ごす事」です。なので、宿はAribnbで安く取り、食事もスーパーのサラダとサンドイッチや、町のパン屋さんで。屋台などでも食べます。(でも、安全性を考慮して、やめる事も頭に入れてます。いつか行きたいインドや、南米とか😅)
【行った美術館】
12/15、20日オルセー、12/17、18、21日ルーブル、20日プティ・パレ、19、21日オランジュリー
*プティ・パレは、VISAや年齢など関係なく、なんと全ての人が入場無料です…!その他のミュージアムは、私は入場無料対象者として、無料で見学しました。本当に、ありがたく、凄いシステムだと思います…🙇
【本題 彫刻の魅力】
彫刻の何が楽しいか:「どこから観るか」を探す事から始まるところと、陰翳の表情。
具体的には、
①作り手は「どこから見てほしい」と考えて作ったか、探る(その作品が最も美しく、かつテーマが分かる位置を探す)
②見る角度(上下)、方向(前後左右)、距離によって変わる陰翳と表情を楽しむ
①も②も、絵画ではあり得ません。絵画は、見る角度や方向、距離は大抵決まっているからです。(裏からとか、観れないという意味です)
ですが、彫刻は、「どこから観るか」という所から始まるのです。これが、楽しい!!!🥹
私にとって、「詩」を読解している時の感覚や、脳の使い方に似ています。
絵画鑑賞時は、小説や戯曲を読む時の感覚等に似ています。
小説や戯曲は、枠/構成がある程度決まっているのに対して、詩は、韻というルールはあれど、前者等に比べると、自由に感じます。
それと、詩は、短くまとめるために、言いたいことの核だけをくり抜いて言わなければなりません。
小説は限りなく長く書けるので、沢山修飾したり描写する、説明する、といった事が可能です。
【まとめ】1)がそれぞれの構成や、鑑賞する位置について 2)が見た目の情報量 として、
これは、絵画が、
1)観る位置が決まっている事と、
2)沢山キャンバスに書き込めるという点が、
1)構成という枠があり、
2)沢山書ける小説と似ている一方、
彫刻は
1)多角的に楽しめて、その広い可能性の中から、作者の意図を読み取る事と、
大きな石故に、大概の作品は、テーマ単体であること。つまり、絵画に比べると、見た目上(視覚的に)は、
2)一つの作品で現す事ができる情報が少ない点が、
詩の「作者の自由な感性」故に、読み始めの入り口が広く、
1)その広い可能性の中から、読み進めるうちに(もしくは読み終わって)作者の意図に近づく、詩、独特の読解方法と、
2)短くまとめるために、言いたい事「しか」書かない/書いてはいけない点が、彫刻と似ています。
説明で長くなってしまいました😅次回②から、私の撮った作品の写真と合わせて、感想を書きます😊🌷